初心者のころ麻雀をやっていると、ポン・チー・カンなど、ボタンが出ると押したくなってしまうと思います。
鳴くと面子ができて、手牌が進んでいるようにも見えますよね。
しかし、役が無くてアガれない。鳴きすぎて手牌が1枚になってしまう。鳴いてアガりに向かっているはずなのに、放銃が多い気がするということを経験したことがある人は少なくないはずです。
鳴きは門前と比較して、上級者でも意見が割れやすい難易度が高い分野になります。
しかし、門前だけではアガりが少なくなり、勝ちにくい麻雀になってしまいます。
本記事を読んでいただきますと
- 麻雀初心者が70点を取れる鳴きの基準がわかる。
- 鳴くべき牌が理解できる。
- 鳴きのメリット・デメリットを理解できる。
以上3点を習得することができます。
本記事は、前の記事でおすすめ役4選を覚えている前提でお話ししますので、おすすめ役がまだ覚えられていない方は前回の記事からお願いします。
本記事の対象者は
- 麻雀を始めたてでルールもあいまいな方
- 麻雀をしているとき、何を切ろうかよくわからない方
- 雀魂で銀の間・金の間で苦戦している方
- 天鳳で初段以下の方
- 友達と麻雀を楽しく遊びたい方
を対象としています。
大明槓には手を出さない
麻雀初心者の方におすすめできない鳴きは大明槓です。
大明槓って何?という方のためにまずは大明槓についての説明をします。
大明槓とは、自分が暗刻で持っている牌の4枚目が相手から出てきたときに槓をすることです。
大明槓は麻雀上級者でも特定の場面でしか使うことのない技術のいることです。
大明槓は打点上昇に影響をすることがありますが、それは点数計算と点棒状況判断ができるようになってからです。
その点数計算と点棒状況判断は麻雀初心者の勉強するおすすめの順番としてはまだ先の話になります。
麻雀初心者の方は、点数計算がわからない・あいまいな方が多いと思いますので、大明槓は控えるようにしましょう。
特に、門前の時に大明槓をすることはかなりの損だと知っておきましょう。
鳴きのメリット・デメリット
まずは、門前と比較して、鳴くことによるメリット・デメリットを把握しておきましょう。
メリットはアガりまでの速度が上昇することです。
鳴きは自分のツモ以外で手牌を進めることができる唯一の方法です。自分の手牌のターツから面子になる牌を相手が捨てたときに、ポンもしくはチーと発声することでその牌をもらうことができます。
ポンはどの相手の捨て牌からでももらうことができます。しかし、チーは自分の左側の席(上家)(カミチャ)からしかもらうことができません。
鳴くという1点だけにおいては両面と対子の優秀さがほぼ同等といえます。(最終の待ちは両面の方が強いです。)
鳴きのデメリットは2点あります。
まず第1に立直と比べて打点が下がることです。
このブログ内の記事では再三伝えていることですが、立直は最強の役です。
その立直の最大のメリットは、ツモ・一発・裏ドラの打点上昇を見込めるからです。
そのため、鳴くことでこの恩恵を受けられなくなります。
つまり、自身が鳴いているときに立直と戦うということは、それだけ打点面で劣勢になっているという自覚を持っておきましょう。
第二に手牌の枚数が少なくなるので、守備力が下がる点です。守備については次回以降に詳しくお話いたしますが、麻雀で守備をするときは相手にロンといわれない牌を捨てることが基本になります。
手牌14枚から安全な牌を選ぶことと、鳴いて少なくなった手牌12枚から安全な牌を選ぶことは前者の方が枚数が多い分簡単になります。
鳴きはリスクが上がる行為であるため、リターンを大きくする必要があります。
リターンが小さいと、
- 鳴いてたくさんアガっているのにトップが取れない
- 放銃することが多くなる
ということになり、勝ちにくくなってしまいます。
そのため、リターンを大きくするための鳴く基準が重要になります。
鳴く時は最低でも、今からお話しする基準を2つ以上満たすことをおすすめします。
鳴くべき手牌の基準
何度も申しますが、麻雀は鳴き<門前です。
そのため、門前の時に比べて手牌の価値を明確にしなければ勝ちにつながりにくい難しい手順です。
ここでは、その手牌の基準を明確にすることで、麻雀初心者の方でも70点以上の選択をとりやすくしていきます。
役が確定する(している)
ほぼ必ず満たしてほしいことです。
役が何になるのかの方針が立っていないような手牌から鳴いてしまうと、冒頭でも書きましたが、役がなくアガれないようなことになりかねません。
そのため、役が何になるかの方針が立っていないような手牌からは鳴くことをしないようにしましょう。
雀頭候補がある
雀頭の有無は意識しておきたい基準です。
「雀頭がいつでもできる」は一昔前の理論です。
現代の理論では雀頭は昔に比べて重要視されていて、鳴きの場合は特に顕著に出ます。
例えば、頭のない手牌13枚のとき、最大13種類の牌のうちどれかを引くと雀頭ができます。
鳴くことで手牌ば11枚→9枚と減っていくので、雀頭になる牌の種類が減っていきます。
そのため、鳴き始める時はポンする場合は以下の雀頭候補を、チーする場合は最低対子1組を確保するようにしましょう。
上記のような形がない状態から鳴き始めてしまうと、最終の待ちが単騎になりやすく、アガりにくくオリにくい手になりがちですので気をつけましょう。
3翻以上(ドラが2つ以上)目指せる
鳴きのデメリットに立直と比べて打点が下がることを挙げました。
この打点のデメリットを補う必要があります。
そのためには、役を絡めていく必要があります。
例えば、役牌+混一色・断么九+三色同順+ドラ・役牌+対々和の様に3翻以上の手牌にすることで、打点を上げることができます。
3翻以上の手牌にすることで、鳴きのデメリットである打点が低くなることを解消することができます。
麻雀初心者の方は、全部の役を覚えていない方もいるかと思いますので、自分が覚えている役を使って3翻以上の手牌を作ってみましょう。
立直以外の役を覚えていない方は、まずはドラが2つ以上ある場合は鳴きも視野に入れましょう。
5ブロックかつ両面1つ以上
ここでも出てきました5ブロック。
それだけ5ブロックは重要だということです。
鳴きの最大のメリットは速度が上がることです。
その速度が大して上がらない鳴きは、やらない方がマシだということです。
その基準が5ブロックと1つ以上の両面です。
5ブロックがない手牌はアガりまで遠すぎるため速度を上がる鳴きと相性が悪いのです。
同じく、5ブロックあっても両面が全くない愚形ばかりの手牌ですと、アガりまでの速度が上がっているとは言いにくいです。
そのため、鳴く時は5ブロックかつ両面1つ以上確保するようにしましょう。
鳴く牌の条件
鳴くべき手牌の基準の次は、鳴く牌について決めていきましょう。
鳴くべき手牌だとしても、どんな牌でも鳴いていいわけではありません。
鳴きすぎると、手牌の価値が下がり、アガりも遠くなってしまします。
①役牌は鳴こう
役を確定させることができる役牌は大体鳴いてしまって大丈夫です。
本記事の基準では、雀頭・3翻以上・5ブロックのどれかを満たしていれば役牌を鳴くことができます。
すると、かなりの手牌で鳴くことができるようになります。
役牌は1枚目を鳴かずに2枚目を鳴くという理論を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
現代麻雀の理論では、1枚目は鳴きになります。
理由としては、2枚目がすぐに出るわけではないという点です。
鳴きの最大の目的でありメリットはアガりへの速度を上げることです。
1枚目を鳴かないということはこの最大の目的でありメリットを放棄することになります。
ゆえに、1枚目は鳴くことが正着です。
1枚目を鳴かない手牌は2枚目も鳴かないことの方が良いことが多いことも併せて覚えておきましょう。
②愚形捌きの良形残し
このタイトル名は、片山まさゆき先生作・麻雀漫画「打姫 オバカミーコ」に出てくるセリフの抜粋です。
この理論は現代麻雀でも使うことが可能な理論です。
おさらいですが、愚形とは辺張・嵌張・シャンポンの3種類の形のことです。
簡単に言うと、愚形が残っているのに両面からは鳴かないということです。
これも鳴きのメリットである速度を上げることが愚形を鳴くということです。
両面は愚形と比較して受け入れ枚数が2倍あるので、相手から鳴かなくても自分で引く確率が高いです。
しかし、愚形は受け入れ枚数が4枚しかなく、相手から1枚出ると残り3枚のうち1枚引く必要があります。
そのため、アガりまでの速度を上げるために愚形を鳴くということです。
オバカミーコは、麻雀女流プロの丘葉未唯子(おかばみいこ)が波溜晴(なみだめはる)という師匠から麻雀を教わって子弟ともに成長していく漫画です。
少し古い麻雀戦術も混ざっていますが、麻雀初心者の方が漫画を読みながら楽しく麻雀戦術を学ぶ書籍としては完成度が非常に高いので、ぜひご一読ください。
③鳴いて聴牌は取ろう
麻雀界では、ポンして聴牌をポンテン・チーして聴牌をチーテンといいます。
ポンテン・チーテンの時は鳴きましょう。
鳴きのメリットは早く聴牌して早くアガることです。
早くアガるためには聴牌している期間を長くして、アガりの抽選を受けることが1番効率がいいです。
そのため、鳴いて聴牌は取ってしまうことをおすすめします。
鳴いて聴牌を取らない例外
鳴いて聴牌を取らない例外もあります。
簡単に言えば、門前で聴牌して立直できそうな手牌です。
その基準は、12巡目(捨て牌2段目終了)までは両面×2の1シャンテンは役があっても鳴かないことです。
これは、確率的に門前で立直してアガることができるラインです。
ただし、これは必ず守っていただかなくても大丈夫です。
理由は、門前で8000点になるはずの手牌を鳴いて2000点にしてしまう罪よりも、鳴いて2000点にできた手牌を鳴かずに相手にアガられて2000点失点したということの方が罪が大きいからです。
前者は差が6000点、後者は差が4000点なので前者の方が罪が大きいと思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、前者は加点し後者は失点しています。
失点することは、自分のトップも遠ざかっていることになります。
特に、麻雀初心者のうちはアガり逃すことは非常に罪が大きいということを念頭に置いてアガりに向かいましょう。
鳴きの練習問題5選
では、本記事の今までの内容を踏まえて練習問題を5問解いてみましょう。
鳴くか鳴かないか、鳴く場合はどの牌を鳴くかまで考えましょう。
この鳴く牌を決めておくことは、特にリアル麻雀では重要です。
決めておかないと、特にポンする牌はポンと声を出す前にほかの人は止まってくれませんので、鳴けないことにつながります。
そのため、この問題で鳴く牌を決める癖をつけておきましょう。
今回は、点棒状況の影響が出ないように、状況は東1局西家5巡目で固定しています。
第1問
回答解説
今回の手牌ですと、どこから鳴いても正解とします。
萬子の7だけ鳴くことも正解です。萬子の7は鳴くようにしましょう。
まず状況の整理ですが
- 役は断么九が確定している。
- ドラが2枚ある。
- 雀頭候補がある。
- 5ブロックで両面がある。
という鳴く条件すべてが整っているため鳴いてもいい手牌になります。
鳴く牌ですが、筒子の3と6、萬子の7どれを鳴いても聴牌になりますのでどの牌から鳴いてもいい手牌です。
こういう時は、萬子の7は1枚目から鳴くようにしましょう。
筒子の3・6はまだ門前で立直をしたい場合は4枚目もしくは12巡目くらいまでは鳴かなくてもいいくらいのバランスだと覚えておくと攻守のバランスがとりやすいです。
ただ、巡目や捨て牌を見て枚数を数える余裕がない方はどの牌が出ても鳴いてもいいです。
第2問
回答解説
今回は鳴かないを正解とします。
まずは、状況を整理しましょう。
- 白を鳴くと役が確定する
- ドラは1枚で孤立牌なので使えるか確定していない
- 雀頭候補は白のため鳴くと雀頭がなくなる
- 4ブロックしかない
と鳴かない条件が整っています。
このくらいバラバラな手牌の時は、鳴いてアガるよりも運よく立直までいけたときのリターンが大きいのでそちらを狙うようにしましょう。
第3問
回答解説
今回は鳴くなら萬子4がおすすめです。
鳴かない選択もOKです。
まずは状況整理です
- 役は萬子の4を鳴けば断么九が確定
- 雀頭候補が萬子の8と筒子の5の2種類
- ドラはなく、断么九のみの1翻
- 5ブロックの両面×3
そのため、本記事の条件ですと鳴いてもいい手牌になります。
鳴く場合は萬子の4から鳴くようにしましょう。
他から鳴いた場合、最終の待ちが萬子の1・4になる場合があります。
その時は、萬子の4でしかアガることができない片アガりになってしまいます。
これは実質愚形の待ちと変わらない待ちになっているので、愚形から鳴くという条件のもと萬子の4から鳴きましょう。
ここで鳴かない選択の場合は、最高打点は立直・断么九・平和の3翻に+ツモ・一発・裏ドラの役が付く可能性もあります。
まだ5巡目ということもあり、立直を狙ってもいいくらいの手牌だということです。
ドラが萬子の8や筒子の5のようにドラが2つ以上の場合は積極的に鳴くようにしましょう。
第4問
回答解説
今回の手牌の鳴く牌は、白と萬子の2を正解とします。
では、手牌の状況を整理しましょう。
- 白を鳴くと役が確定する
- 雀頭候補は索子の9
- ドラは2枚
- 5ブロックあり、両面が1つ
と鳴く条件は万全ですので鳴きましょう。
鳴く場合は、役を確定させるか、愚形を捌くかのどちらかをしたいので白か萬子の2は鳴きましょう。
ここで鳴いてほしくないのは、索子の8と9です。
この2つは鳴くと雀頭候補がなくなってしまいます。
現状この手牌は鳴く場合、白に役を依存している状態ですので、白を鳴くことが前提です。
そのため索子の9の対子を崩してしまうのは鳴きの条件と異なってしまいます。
萬子の2を鳴くと、白の後付け(役を後からつけること)になってしまいますが問題ございません。
後付けになっても鳴いていきましょう。
第5問
回答解説
今回の手牌は、どこからでも鳴くを正解とします。
まずは状況を整理しましょう。
- 役は西か中を鳴けば成立する。
- 雀頭候補は萬子の1・西・中の3種類
- 翻数は西・中・ドラ(3翻)もしくは西・中・混一色(4翻)
- 5ブロックある(混一色の場合は4ブロック)
まず、混一色狙えましたか?
混一色を狙う手は上記のように偏っている手牌です。
この手牌は、筒子の7を鳴いたとき以外は索子の7を捨てることをおすすめします。
そうすることで、西・中・ドラ(3翻)もしくは西・中・混一色(4翻)のどちらも狙うことが可能になります。
このように手牌を進めることを両天秤といいます。
萬子の1~5のどれを引いても混一色で5ブロックできるので、筒子の6・8を捨てていきます。
逆に筒子の7や8を引いた場合は、混一色を狙わずにそのままアガりに向かうというイメージです。
混一色は立直・断么九・役牌・ドラの次に強い役ですので、少しずつ使えるようになりましょう。
まとめ
いかがでしょうか。
鳴きは門前の時と比較して考えることが多かったと思います。
それだけ難しく、だからこそ勝ちにつながりやすいことになります。
まずは鳴く前に
- 役が確定しているか
- 雀頭候補はあるか
- 3翻以上目指せるか
- 5ブロックあり両面は1つ以上あるか
を確認して鳴ける手牌なのかを確認しましょう。
そして鳴く際は
- 役牌はとりあえず鳴いておく
- 愚形から鳴いて良形は残す
- 聴牌はとっておく
この3点を基準に鳴く牌を選んでみてください。
鳴きは上級者でも判断が分かれやすい複雑にな分野です。
初心者の方はどんどん挑戦して、たくさん失敗して良し悪しを考えてみてください。
当ブログは質問フォームも設置しておりますので、お気軽にご質問いただければと思います。
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